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ヴォート XSO2U(Vought XSO2U)は、1930年代にアメリカ海軍向けにヴォート・シコルスキー社で開発された観測用水上機である。カーチス SOC シーガルを代替する巡洋艦の艦上から運用される偵察機として開発された本機は評価試験においてカーチス SO3Cよりも優れた性能を発揮したが、ヴォート・シコルスキー社の生産能力の不足から量産契約は獲得できなかった。 == 設計と開発 == 1930年代遅くにアメリカ海軍は、偵察と着弾観測の双方の役割に使用できる巡洋艦から運用する新型偵察/観測機に関する一連の要求仕様を発行した。複葉機のカーチス SOCを代替することを意図していたこの要求仕様は、折り畳み翼やSOCに優る航続距離と速度を有し、レンジャー V-770直列エンジンを装備すべしとされていた〔Adcock 1991, p.44.〕。 海軍の要求仕様に応じてヴォート・シコルスキー社とカーチス・ライト社が設計案を提示した。社内名称モデル403と呼ばれるヴォート社の設計は、米海軍の戦艦に搭載されていたSOCの代替機として当時開発中であった同社製のOS2U キングフィッシャーと非常に似ていたが、モデル403の方はキングフィッシャーよりも単葉の主翼取り付け部が胴体の高い位置に移されており、単胴フロートの取り付け方法が異なっていた〔。さらにはOS2Uでは星形エンジンを搭載していたが、モデル403では角張った[[カウル|カウリング]]を持つV-770エンジンとなっていた〔Green 1967, p.162.〕。 フロートを備える水上機としてか通常の尾輪式降着装置を持つ陸上機としての双方の運用が可能なように考えられていたXSO2Uは、動翼が羽布張りであった以外は全金属製であった。格納時には雷撃機のTBFアヴェンジャーと同様に主翼は後方に折り畳むことが可能であった〔。 本機は急降下爆撃機としての能力も有し、爆撃任務や対潜戦では両主翼下のハードポイントに各1発の爆弾か爆雷を縣架することが可能であった。固定武装では2丁のブローニングM2重機関銃を装備し、1丁はプロペラ同調装置を使用してプロペラ圏内から発射する前方固定銃、もう1丁は後方防御用に観測員席の可動銃座に装備していた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「XSO2U (航空機)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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